無料インターネット付きワンルーム物件探しで注意をするべきポイントとは

最初から無料でインターネット回線ができる、いわゆるネット無料のワンルーム物件は賃貸物件でも必要性の高い設備として最近人気が上がってきています。
入居者にとってはネット回線の契約を結ばずにインターネットが入居初日から使えるので非常に便利ですし、家賃によっては、自分で回線を契約するよりもお得なことがあります。
しかし無料だからといって本当に使い勝手が良いのかというと、実はそうでもない一面もがあります。ではインターネット無料のワンルーム物件に住む時には、どんな点に注意をしたらよいのでしょうか。

1. ネット回線の速度は本当に確保されているのか

まず注意をしなくてはいけないのは、インターネットに接続したときの回線速度がきちんと確保されているかという点です。 今のインターネット回線は基本的には光回線接続になっているので、単独で使うのならば100M程度の速度が確保できるものが多いです。

しかし集合住宅向けにサービスを提供しているネット回線業者の中では、今でも古い ADSL 回線を提供していたり、安い光回線を利用していて速度が確保できないものもあります。速度が12M程度ですと、インターネットでリアルタイムでゲームを遊んだり、動画を楽しんだりする時には速度の面で物足りなさを感じることが非常に多いです。

ゲームや動画を快適に楽しむであれば、やはり50M程度の速度は確保したいところでしょう。光回線であることは絶対的な条件ですが、光回線を複数の部屋で分割して利用するインターネット無料ワンルーム物件も多いです。インターネット無料を謳っている物件を内覧する時には、その部屋で実際にどの程度の通信速度を確保できるのかを、必ず不動産屋に確認をしましょう。

2. 部屋によってネット回線速度の差はないか

部屋によってネット回線速度の差はないか

また部屋によっても通信速度に差が出ることがあります。特に無線でインターネットに接続ている場合は、元となる回線ルーターからの距離が近いかどうかで速度が変わってきます。 有線ケーブルでネットに接続できるのであれば、部屋によってそれほど速度の差は出ませんが、無線オンリーでネット回線が提供されている時には、仮に100M程度の速度が出ると言われていても、本当にその部屋で速度が出るのかを確認しておきましょう。

もし無線でインターネット接続をされている時には、中継器をつなげばネットの回線速度が速くなることもあります。中継機は大元のルーターからの電波を中継して、自分の部屋まできちんと回線の電波を届けてくれます。中継機の価格は2,000円程度で購入できるので中継機を導入することも考えてみましょう。

3. 通信料が増えると、減速される契約になっていなのか

モバイル wi-fi ルーターなどを使っていると、1日の通信量が一定量を超えた時に数日間最大速度が制限されてしまうという契約もありします。光回線に固定で繋げる場合はそういった制限はまずないのですが、インターネット無料物件の場合はとにかく導入費を抑えるために速度が遅いだけではなく、通信量によっては速度が制限されてしまう契約もあります。滅多にあるものではないですが、契約書をよく確認していないと、いきなりネットの回線速度が遅くなって、ネットが出来なくなるということも起こりかねません。そのようなことがないように、ネット回線の速度と契約内容についても十分に確認をしておく必要があります。

4. 他の住人がよくネットを使う時間帯は

インターネット無料のワンルーム物件は、ひとつの光回線を複数の部屋で共有して接続していることが多いです。 つまり他の住人がインターネットに接続をしている時間帯は、どうしても自分の部屋のインターネット回線速度も遅くなってしまいます
往々にして最もインターネットの接続が増える時間帯というと、帰宅後の20時以降でしょう。帰宅して食事を済ませ入浴をしたあとにネットサーフィンやゲーム、動画配信を楽しむ人が多いのです。 また金曜日など休日前日の場合は深夜までネットに接続してゲームや動画を楽しむ人もいます。

自分と生活リズムの一致する住人が多いワンルーム物件は、自分が寝ている時に他人生活音が起こったりすることが少ないので、騒音ストレスからは解放されるメリットがあります。しかし、皆が同時にインターネットに接続をすることになるので、インターネット無料ワンルーム物件に住む場合にはデメリットになることもあるのです。

もちろん他人の事情は自分の都合で変えられません。そこはある程度妥協はしなくてはいけないポイントなので、例えば動画を楽しむのであればそれほど他人がネットに接続していない時にダウンロードして、夜間はダウンロードした動画を見る、休日の前にゲームを楽しみたい時は早く寝て早く起床し、早朝に楽しむなどのネットを使う時間をずらす工夫をしなくてはいけないかもしれません。

5.実は自分でネット回線の契約をしたほうが安いのではないか

そして一番注意をしなくてはいけない点として、実はインターネット無料ワンルーム物件だからといって価格がお得ではないという点があります。
今集合住宅で光回線を自分で契約した場合、月額料金は4,000円から5,000円ということが多いでしょう。インターネット無料を謳っているワンルーム物件を借りる場合、単純にその費用分お得だと思ってしまいがちです。

しかしインターネットが無料ではない物件と、自分の物件を比較したときに本当にその家賃の差額が適当なものなのかは、比較してみないとわかりません。
同じ駅からの距離、同じ面積の物件があり、例えばインターネット無料物件が45,000円、インターネット設備がないワンルームマンションが39,000円だったとします。この場合本当にお得なのは、後者のインターネットが導入されていないマンションだったりします。

最近では入居率の低下を防ぐために、インターネット無料オプションを導入して入居者募集をするアパートやマンションが増加しています。インターネット回線業者もそういったアパートやマンションに積極的に売り込みをかけており、インターネット無料を謳えば入居率が上がるといって契約を迫っているのです。
しかしその実態は回線速度の低い回線なのに、毎月の月額料が3,000円など、個人で光回線を契約するとあまり変わらない値段なのに、回線速度が非常に遅いということもあるのです。
インターネット無料ワンルーム物件を見るときは、周囲の似たようなスペックの物件と比較して家賃の価格差が適当なのか、また速度に満足出来ない時に自分でインターネット回線を導入できるのかということも考えなくてはいけません。

もしインターネット回線を新たに契約ができない場合は WiMAX などのモバイル wi-fi ルーターを導入した方が良いでしょう。大体3,000~4,000円で契約できます。ただし、WiMAX も利用できるエリアに制限があったり、部屋の位置によっては十分な速度が確保できないこともあります。

まとめ

インターネット無料物件は価格面で魅力的に見えがちです。しかし実際はネットのヘビーユーザーにとっては、快適な利用環境と言えないものも多く、そのまま鵜呑みにして契約してしまうのは危険とも言えます。
インターネット無料ワンルームマンションでは、回線の種類などをあらかじめ確認して、本当にその家賃が適正なのか、また自分にとって必要な回線速度を確保できるのかはしっかりと事前に調べるように心がけましょう。回線の速度が遅い場合は、「マンションの回線を利用しないので、その分家賃を下げてほしい、」といった交渉も有効です。